THE BOUNCE 2001年10月号
〜また原点へ、そして再び初めから〜
#1 Teddy |
まず始めにTeddyとのインタビューの為にアメリカ・ロスアンジェルスにいる彼の携帯電話に電話をかけた。何度も通話を試みたが、彼の携帯電話の電源は何日も切れていたようだった。英語が分からなくてどうしていいか困っていた頃、先月23日に遂に彼の電話が通じた。電話が切れていた理由を訊いたところ、ずっと家にいたので携帯電話が切れたままの状態だったのだという(バウンス編集部は彼の家の電話番号を知らなかったのだ)。翌日24日に電話インタビューをすることにした編集部はひとまず電話を置いて、24日午後(アメリカ時間で11時30分)に彼の家に電話を掛けた。しかしTeddyはまたスタジオから帰って来る前だったので、「帰宅したらバウンス編集部まで電話するように」とお願いして受話器を置いた。その間事務所を訪問したオ・ジンファンとしばらくインタビューした後、再びTeddyとの通話を試みた。
ミキシング中と聞いていたが、どの程度の作業が進んでいるのか気になる
今ちょうどマスタリングを終わって、帰る途中だ。
気分はどうか?
すっきりしてる。音入れとミキシングが全部終わって、歌を更に一万回も聴いたけど、マスタリングを終わる頃になると不足した面もあり物足りない面もあるようだ。
2集活動が終わってどんな生活を送っているのか気になる
一度ジヌションの『A Yo!』の作業を終わらせてからアメリカに来て、家にずっとこもっていた。インスピレーションを得る為には家にだけではダメだとは分かっていたが、人と会ったりする気にもなれなかった。それで家にいたのだが、無理やりインスピレーションを得る為に努力することはなかった。公演を観にはよく出かけたが、家では作業をこつこつやっていた。
どんな公演を観たのか?
Talib Kweli、Common、Mos Def などの公演を観た。クラブで小規模で行われた公演だったのだが、ステージの上で終始「こんな公演がいい。近く人々を感じられるのがいい」と言っていたのが印象深かった。
作業期間はどれくらいかかったか?
レコーディングはたったの一ヶ月半で終わった。もともと時間を使ってレコーディングする方なのだが、今回はレコーディングの時間に少し追われた。それが残念だ。しかし曲を作る作業に関しては無限大の時間を使って直す作業の繰り返しだった。ジヌションの作業を終わらせるとすぐに曲を書き始めたのだが、インストロメンタルの編曲だけやっておいたものがとても多かった。その中から1TYMのスタイルと一番合う曲を選び出すのに苦労した。1月から本格的に曲作りを始めて、約6ヶ月間は一人で作業した。そしてレコーディングは一ヶ月半で終わった。
誰が何曲作ったのか
僕が7曲、ぺっきょんが2曲を収録した。
2集からハードコア、国楽、ファンクなど多様なスタイルを試みたが、今回のアルバムとの2集とで違う点を挙げると?
特に違う点はない。子供の時から音楽がすごく好きだったけど、それが今まさに出て来ているようだ。僕が本当に好きで満足させてくれるものが今出ている。今回は本当にやりたいことだけをやった。2集ではPerryがいろいろと手伝ってくれたが、今回は自分達のカラーがありのまま出ていると思う。僕達の間でこんなことを言ったんだ。「今回のアルバムは僕達だけで全部やってみよう!」大変だったけど、僕達が自分達で始めから終わりまで全てやった。家に着いてからすぐにマスタリングを終えたCDを聴いているんだけど、すごくブルッと来ている。正直言って、大衆の口当たりに合わせることも重要な部分で、たくさんの人々が好きなヒップホップをやって親しくなりたいという気持ちには今も変わりがない。活動休止期間が1年を超えたが、韓国では人気がある音楽を聴いてみると以前にはその歌が何故人気があるのか理解できたのだが、最近は大衆の好みがよく分からない。だから苦労して合わせようとするよりは、僕達のカラーを見てもらった方がもっといいと思う。
タイトル曲は決定したか?
まだはっきり分からない。韓国での活動期間は2ヶ月間に制限されているので、自分なりにいろいろ考えている。正直な気持ちを言えば、収録曲全てをやりたい。そして今回のアルバムは作っている時からステージの事を考えていた。ステージの上では僕達が自信を感じられる、エナジーがたくさんの曲を作りたかった。
音楽を本当に少しだけ聴いてみたのだが、スタイルがすごく変わった気がするのだけど、それに関しては?
ぺっきょんもそうだし、僕もそうで、音楽を作りながら昔のヒップホップに戻っていくのが感じられたんだ。完全なオールドスクールじゃなくて…。事実最近のヒップホップシーンには面白味がない。そのせいでアメリカのヒップホップシーンに関心がなくて、個人的にはいまいちだと思う。何と言うか…。あまりにすっきりしすぎていて滑らかで清潔感のある感じなのが嫌いだ。粗くてむさ苦しいような、とは言っても編曲の面で粗雑ということではなくて、サウンドがシンプルながらロー(raw)な感じにしようとしてみたら、そんな曲がたくさん出てきたようだ。4人全員が血気盛んではあるけど、普段は雰囲気が明るいと思う。歌詞の面でも深刻な主題を扱ったり、メッセージを込めたりしているものはない。ただ楽しい感じが好きでヒップホップをやってるんだから。誰かに教えを説こうとしているのではない。一言でサウンドは粗くなったとお言えるが、反対に歌詞やテーマの面では肯定的で軽快になっている。
帰国できないで、ジリジリしているのでは?
はじめアメリカに来た時は寂しかった。「これから何をすればいいのだ」という気持ちになって…。過去4年間を韓国で過ごして、それからはもう慣れたけど、突然うまくいかない状況になると途方に暮れた。今は大丈夫だ。映画も観て、運動もして、独り言も増えて…(笑)。
最後に待っているファンに一言。
We'll Be Back Very Soon! もうすぐ僕達は戻るからね!
#2 オ・ジンファン |
Teddyのインタビューが暫く後延ばしになっていて、「果たしてTeddyとの電話インタビューだけで気になっていることが全て解決させられるか」と思っていた時にオ・ジンファンが事務所に入って来た。突然のことだったが、恐る恐るインタビューを頼むと彼は喜んで受けてくれた。Teddyとの電話が通じる前にオ・ジンファンとのインタビューがまず叶ったことをここで明らかにしておく。
作業をするのは楽じゃなかったと思うけど、どのように進めていったか
DannyとTeddyはグアムでデモを作っていたんだけど、活動休止期間中にに内々に録音をしていたと言って間違いではないようだ。消してまたやって、消してまたやって…。捨てた曲も多くて、聴いたことのない曲の数も多かった。2人だけでやってみて、「これは違う」と思って捨てた曲もあるし、ほとんど遊び半分真面目半分の気分でレコーディングした曲も多かった。
どの程度の曲作りを終わらせてからグアムで会ったのか?
全部ではなく、約50%くらいかな。
レコーディングは全て終わったのか?
レコーディングは終わって、昨日(10月23日)Teddyと電話で話したのだが、今日にはマスタリングまで全て終わりそうだ。
レコーディングにどれくらいかかったか?
グアムは保養地で遊ぶにはいい所だと思う人も多いと思うけど。僕達が滞在していた所は現地の人々がほとんどの場所だった。そしてメンバー達が外に出るのを嫌がって、ご飯も作って食べたり頼んだりした。おかげで料理がとても上手になった(笑)。英語ができないからTVを観ることもなく、結局ずっと音楽を聴いたり、レコーディングをしていた。日数を計算するとそんなに長くはないけど、たくさんの時間を投資した。そして僕達4人だけで集まってレコーディングしたので、1,2集よりは早く進んで、曲もさらに良いものに仕上がっていると思う。
レコーディング期間がギツギツではなかったか?
当初は10月までに仕上げるつもりだった。レコーディングも大方全て終わってぺっきょんと僕が韓国に戻らなければいけない日になろうとしていた時、帰国2日前にみんなで集まってこんな話をした。「俺達、もう少しやったら、マジでもっといいものができると思う。ずっと休んでいたついでに、今年は年を越してしまおう」と…。僕がソウルに行って、みんなに話してみることになって、結局一ヶ月間の余裕ができて、もっとよい曲を数曲作ることもできて、気に入らなかった部分も修正することができた。
音楽を聴いた感じはどう?
電話で音楽を聴かせてもらいもしたんだけど、あまりよく聞こえなかったんだ。どんな感じかもよく分からなかったし。既に活動を終了してから7,8ヶ月が過ぎているので、はじめは「果たして僕達がこれをちゃんと終わらせることができるのか」と思われた。だけど意外にもTeddyが音楽的な面で非常に発展したのが感じられた。努力をとてもしたようにも思われたし、持って生まれたがあるやつだとも思った。ぺっきょんはたまに会うと、自分の音楽を聞かせてどうだか訊いてきたりして頑張っている弟だと思っていたけど、Teddyがそこまでできるとは思わなかった。
2集の時はずっと一緒に過ごしてレコーディングもして、今回はお互いに離れ離れになってから、レコーディングの時だけ一緒にいた。感じが違ったと思うんだけど?
はじめ会った時は5〜10分くらいお互いに抱き合ったり、チューしようとしたりして…(笑)。寮に行くとすぐに12時間以上話をして、胸のうちにあったものをすっきりさせた。電話料金が高くて電話もろくにできない時が多かったんだけど、実際に会ってみたら、したい話が本当にたくさんあった。そうして12時間話しても僕達のグループの結論はいつも同じだ。「一生懸命やろう!」
グアムでもそうだった。もちろん辺り一面が全て海辺だから、「レコーディングが終わったら少し遊べそうだな」と思っていたんだけど、一度も泳ぐこともなかった。明け方にレコーディングも上手くいかなくて、海辺に風に当たりに行こうとTeddyと出掛けたら、朝日が昇ってくるのを見たのが最後だった。個人的にはよい経験だった。2集活動が終わって、休みの間は何をしていたのか。
学生生活を充実させようとして、友達ともたくさん付き合った。スポーツもたくさんやって…。休みの間に自分なりに音楽作業もやった。自分の意志を無理やりに通してたら今回のアルバムに入れることも出来ただろうけど、それはしたくなかった。僕一人が認める音楽ではなく、他の人達に認めてもらえる音楽が作れるようになるまで、一生懸命やらないといけないということを今回改めて感じた。
今回のアルバムが発売される日を待つのみとなったが、どんな気持ちか?ブランクが多少長かったが。ファン達はとても気にしていた。ファン達の為に一言言うなら?
たまにホームページに行くと、いつ頃出てくるのか自分なりに予想している書き込みが見受けられた。まだ僕達を思ってくれているファン達にただただ感謝している。時間が過ぎるほどにファン達のありがたいさを深く感じるようになった。何がなくても、この人達の為に一生懸命やろうと思ったけど、正直恐いような気もする。何の近況もないままに、すごく久しぶりに現れて、果たしてファン達が喜んでくれるのかなぁ、なんて思ってみたり…。だけどファン達を信じることにした。
#3 Danny |
Teddyとのインタビューの後、すぐにDannyの家に電話を掛けた。おそらくアメリカ時間で夜中の12時を過ぎた頃。床に就く前にインタビューを終わらせなければならなかった。運良く就寝前で、難なくインタビューを進めることができた。
2集活動後はどのように過ごしていたか。
2集活動後すぐにアメリカに来て休んだ。特別することもなく、ただ家にいた。アメリカにいる間はTeddyと3集についてずっと考えていた。Teddyの家でずっと作業していた…。何をしていても、考えるのは3集のことだけだった。
作業時間に余裕がなかったのでは?
そうでもなかった。グアムに初めて行った時、曲もあらかじめ録音していたのだが、ある時それも全て消して、最初からまた始めた。音楽をずっと聴きながら、もう一度やってみたいと思う何かがずっと頭の中に生まれた。その為に繰り返し作業したことが多かった。スタジオは制約があるけど、僕達は家でレコーディングしていたので、そういうものがなかった。
Teddyが作った音楽を聴いて、どんな感じがしたか?
とても驚いた。最近では曲をすごく早く作るようになった、早く作っても歌がすごくいい。初めのうちはたくさんの時間を投資しなければいけなかったのに、最近ではすぐに出来てしまう。一日に何曲も作る日もあった。“Teddy博士”呼んで欲しい(笑)。
グアムで作業していたが、不便なところはなかったか。
まずぺっきょんとじなに兄さんは行ったり来たりしていたけど、僕とTeddyはいつも一緒にいたので、作業室で一緒に住んでいるみたいだった。起きるとすぐにレコーディングすることもあったり、寝る前にレコーディングすることもあった。時間制限のようなものがなかったので、レコーディングする時にはすごく気が楽だった。レコーディングブースがなくて、多少不便ではあったが、それでも楽しかった。服とかに神経を使わなくてもいいので、そのままトランクスだけ履いてヘッドフォンを着けて歌うこともあって…(笑)。
今の気持ちは?
「もう一度初めから」。いつもそうだ。2集の時もそうだったし、初めての時の気持ちそのままだ。
待っているファン達に一言言うなら?
とても長い間待たせてしまって申し訳ない。休止期間中は活動はしないながらも、僕達が学んだものがあったように、ファン達もその間にさらに成長したと思う。長い間離れてから、また会う時ってもっと嬉しくないかな?もっと大切な時間になって…。その大切な時間を常に良いものにしたい。まず僕達が見せられるものは歌だから、さらに良い歌を持ってカムバックしたい。時間が経ったことは感じているが、僕達が感じている以上に時間がすごく早く過ぎていった。いつも他の歌手達よりカムバックが長いことは長いとは思うけど、良い音楽が準備出来てから出たいと思っていた。気楽に休みながらも何かを学べる時間が必要だったので、カムバックまでの期間が長くなってしまったのだと思う。だからこそ音楽的な発展が生まれるのかと思って…。
#4 ソン・ベッキョン |
締め切り目前の10月26日午後11時30分現在、遂にソン・ベッキョンとのインタビューを進めることができなかった。マネージャーを通して連絡をとろうともして、直接家に電話もしてみたのだが、その行方は五里霧中(※)だった。バウンスはアルバム発売後に1TYMとのインタビューを再度進行する予定だ。出来なかった話は追々もう一度することにして、その時は4人のメンバー全員が同じ場に集まることを期待してみる。
※「行方は五里霧中」は原文の直訳です。