THE BOUNCE 2002年4月号
Teddy
「音楽の毒は、何故そんなにも甘いんだろう?」
先月の3月8日、韓国と一番近いアメリカであるグアムへ出国した。様々な理由の為に仕方なく決定したことを考えると、韓国に残っている残りの1TYMのメンバー達とファン達皆が名残惜しい、寂しい気持ちを隠すことができない。ましてやグループのプロデューサー兼リーダーとして1年6ヶ月の時間を準備に当て、60日という短い期間にしか活動できなかった当事者の心はどれほどだったか・・・。Teddyが韓国を後にして1週間が経ち、久しぶりに彼との長い話をする機会を持つことができた。1TYM3集を作ったプロデューサーであり、音楽を愛するマニアの一人として、Teddyが解き放つ話に耳を傾けながら、思った。「この人は本当に熱情的な人なんだな」と・・・。
その命の熱情は余すところなく彼の次の音楽へと移されていき、大衆は再びTeddyの作った音楽の致命的な毒に中毒になる機会を与えられることになるだろう。
※このインタビューはチャット(形式)で進められました。イメージはこちら |
Hey!グアムは相変わらず暑い?
そうですね。昼間は暑くて、夜は少しましになって・・・。僕がここに来て一週間になるんだね。
あ、もうそんなになる?あまりにも無我夢中で頑張って、そのまま出て行ってしまって・・。
はぁ・・。そうですね。
何をして過ごしているのか、少し報告をしてくれるといいなぁと思うんだけど。生きていることは確認できたし・・・。新しいアルバムの作業はまた始めてないの?
報告って何の・・・。--; 作業しなきゃいけないんだけど・・・。ここに来てから何日間かはあれこれやってはみたけど、実際に作業に夢中になれないんですよ。韓国にいる間聴けなかった音楽を聴いて・・・。
どんな音楽を?
主に昔のをよく聴いています。ヒップホップはオールドスクール寄りなのを、まぁ、それ以外の音楽もよく聴くし・・・。もともと僕はなんでも聴く方だから。
心に余裕がないようだけど、大丈夫?
うん。僕は大丈夫。本当に一心不乱に過ごして来たから、まだちょっと整理ができてはいなかったけど。
昨日初めて「Make It Last」のミュージックビデオを観たよ。
今日ジヌ兄さんがグアムに来て、僕もビデオを観ましたよ。ステージの上でじなにとDannyとでうまくやってくれると思いますよ。そうなると信じているし。
出国の時の映像を見たんだけど・・・。それを見ながら、グアムに行く飛行機の中でどんなことを考えていたのか気になる。
僕はその時独りでカバン一つを持って出たんですよ。そのカバンの中に何が入っていたと思いますか?
分からないよ。--;;;
ファンレター。カバンにぎっしりファンレターを詰め込んで乗ったんです。活動中は忙しくて読めなかったものを飛行機の中で読もうかと。だけど・・・。実際に飛行機に乗って、カバンを開けてから気が付いたことがあったんです。それをどうやってどうやって持って来たのかというと、そのまま一まとめに集めて来たのではなく、手紙をもらう度にカバンにちょこちょこ入れておいたんだ。だから僕が・・・。韓国へ戻った1月10日から旅立つ日を無意識に考えていたみたいです。
旅立つ飛行機の中でやることまであらかじめ決めていたってことね。
うん。韓国に来ても、毎日それを考えていたんだ。俺は行かなくちゃいけない・・・。俺は絶対に出て行かなきゃいけないんだ・・・。そうやって旅立つ準備をしてきたってことですよ。カバンの中にぎっしりつまった手紙を見た瞬間、俺も心の底では準備をしていたんだんだな・・・、っていう思いがしたんですよ。
あ・・。ちょっと、すっごく気の毒になるじゃな〜い。--;
いや、もう僕は単にそれが分かっていたんであって。それがすべて。そして飛行機の中で手紙を本当に一生懸命読みましたよ。そうしている間にグアムに到着して。別に遠い所じゃないから・・・。
ところでなんでまた髪を剃っちゃったの?
別になんとなく。正直、僕は個人的に長い髪は嫌いです。管理するのも大変だし、髪を洗うのも大変だし、神経をすごく使うでしょ。
活動中はコーンロウ・スタイルにしていたじゃないですか。だけどそのヘアスタイルが僕にとって最悪だったことが・・・。僕が寝ながら頭をすっごく掻く癖があるってこと。朝起きると毎日大変な状態でした。
これからはしばらく作業ばかりをやることになるから、そんなに管理が大変な髪型をずっとしているのもね。
そうなんです。作業中は髪もあんまり洗わないし。クク。
--; 韓国に来てから、体で感じたアルバムの反応はどうだった?
う〜ん・・・。活動に忙しくて・・・。インターネット上でマニア達の書き込みや主観的な評価みたいなのも見ることもできなくて、音楽好きの人達がどのように評価していたかはよく分からないけど・・・。僕が感じてほしかったこと、自分なりに伝わったと思います。メディアを通してみたところでも、直接感じたところでもそのエナジーが十分に伝わって、それは言葉で表現してもらって分かったのではなく、単なる感じたところだと。
ところであなたがすごく身体の調子が悪くて・・・。それは本当に・・・。
Oh, No. その話はやめよう!正直すっごく辛くて、はじめはそんなエナジーを考える余裕もなかったですよ。自分なりにコントロールして、辛いようには見えないようにしないと・・、とは思っても、それが心で思っていても、身体が付いてきてくれないから本当に大変だった。だけど、ここに来てみたら、なんで自分があんなに辛かったのか理由が分かった。
?????
空気がすっごくいい、ここは。こういう所に住んでいて、ソウルへ行ったから当然だよ。
すっかりグアムの人になったのね。ククク。アルバムではほとんどすべての曲をライブでやっているけど、これはアルバムバージョンの方がよかったな、またはこれはアルバムよりもよかった、とかそういうのはある?
お姉ちゃん(=インタビュア)が聞いたところではどうだったんですか?
私は「Hiphop Kids」はアルバムよりライブの方がいい感じで、「ウワ」もそうだし。
僕がステージでやっていて楽しかった曲は「バス」と「Nasty」。でも!!前にも言ったけど、韓国はオーディオリハーサルをなんでやるのか分からない。テレビなんかでもそうだし。大きくても小さくても公開放送の時もそうだし。果たしてエンジニアは何をしているのか分からないんだ。公開放送へ行くと、はじめからモニターを切ってあることも多いし、音楽を蚊の鳴く声くらいにしていて、ボリュームをあげてほしいって頼んでもそうしてくれないこともあって・・・。ひどい時はマイクのエフェクタを引っかけてある時もありましたよ。本当に我慢ならないですよ。
まぁ!じゃあ、どうするの?
それでもやるしかないですよ。サウンドがそうだからって出来ない訳じゃないし。だけど何を差し置いても、モニターが切られている事はどうにも我慢がならないですよ。すごく大きな公開放送の場合にはスピーカーが観客の側にだけ向いているから、僕達が聞く時にすごく轟いて聞こえるようになるんだ・・・。1秒の差もないけど、僕達の耳にはわずかに遅れて聞こえてくるので、歌が上手くいかないこともあるんですよ。そういう問題への対策として僕達がモニター出来るようにモニターがあるのに、モニターが切られていたらどうすればいいんだ〜。
ライブでやらない人達にはどうでもいいことなのね。
でも僕達にはどうでもいいことじゃないよ。それで完全にめちゃめちゃな状態で公演したこともあるからですよ。それでもTVはまだいいけど。ホンギルドンの時はチンソク兄さん(マネージャー)がコンソールもやっていて、それもよかったし、兄さんが僕達と一緒にいるようになってもう5年になるじゃないですか。1TYMが公演する時なら、できることなら。エンジニアよりもいいですよ。
それでも1TYMの最大の強みはそれじゃない。ステージの上で強い・・・。
僕もそう思うけど・・・。アルバムが100なら、ステージに上がってビジュアル的な面と併せて音楽を聴いてもらえるなら、200にならなきゃいけないと思います。だけどサウンドがダメだから楽しくできないんだよ。システムが少し満足に出来たら、今よりも何倍もよい姿を見せられると思うと、腹も立つし、残念だし・・。なんか納得いかないね。
そういう問題とは別に、今回のアルバムの成果としては、どんなことがある?
僕達のグループ?でなくて、僕?
プロデューサーTeddyとして・・・。
ミュージシャンとして、アルバム全体を一人で全て作ったという事ほど、ありがたいことはないですよ。始めてからそんなになってなかったのに、自分の力でアルバムを完成させたということだけでも僕には大きな自信になった。
自信・・・。あなたは一度もそれには不足したことがないじゃない。--;
ククク。それはそうだけど、曲をひとつ作ることとアルバムを全て作ることでは、本当に天と地ほどの差があるんですよ。今では一曲思いつくと、これはどんなアルバムの何番目のトラックに入れればいいなぁ・・。とかそういう感覚になってるから。
ところで、以前に「A-Yo」を作った時は、「One Love」とは違う精神的な負担を感じたって言ってたじゃない。今はあなたに対する期待値もさらに上がって、それが大きな負担に作用するんじゃないかって思うんだけど、どう?
そういう負担感なら、今回のアルバムが最高だったよ。音楽をやってる人には負担感が一番強い毒薬になりもするんですよ。負担感が大きすぎると、音楽を無理矢理作る可能性も生ずるんですよ。音楽を作る時、それを乗り越えないといけないことが一番大変でした。
自分なりにうまくやり抜きたいと思って、僕がやりたい音楽をやったと思うけど・・・。それと同時に必ず忘れてはいけないことが責任感ですよ。自分の音楽のクオリティに対する責任感。僕の考えでは負担感と責任感は違うんだ。間違ってるかな?
負担感には自信とは関係ない気持ち、責任感には自信があることが含まれているのではないかって思う。とにかく、あなたはさらによい状態になったってことね。
そうみたいです、本当。
今回のアルバムが出て、次にたくさんの人達が期待していることのひとつが、今度はあなたの個人プロジェクトがあるんじゃないか・・、ってことなのよ。
何回もこの話をしたと思うけど、僕は1TYMであることが好きです。僕が今進んでいる道が好きなんです。一言でいうなら、僕は1TYMで始まって、まだ1TYMじゃないですか。1TYMとしてのTeddyでない他のTeddyをまだ考えたことがないし・・・。今のところは何の計画もないです。
フフ。そうなんだ。あなたは音楽が人の人生を変えうると思う?
う〜ん。難しい質問ですね。単に音楽は人間が生きるのに一緒にあるもの。人間がこの世に存在しているように、音楽もまた自然に存在しているんじゃないかって思います。何といったらいいかな・・・。人生に感謝しながら生きていけるようにしてくれるもの、と言えばいいかな?
あ、そうだ。いつだったか、音楽に対してニーチェが言った言葉を読んだんだけど、“音楽のない人生は間違い”という言葉。それを読んで、いろいろ考えました。
どんなことを考えたの?
その通りだ・・・、って。音楽と人がどれだけ近いのか・・・、とか。特に僕と音楽。
音楽をやっていることで、失ったもの、得たものがある?
どういう面でですか?
感情的な面とか・・。いや、単に包括的にあなたの人生に照らし合わせた時の得と失。
この間、昔の友達に会ってみたんだけど、僕がその友達よりもすごく子供っぽい感じがしたんです。音楽を始めてからというもの、その道をただただ生きてきたから、出会う人もあまりいないし、音楽とつながりのない事に対して接する機会がないから。普通は好きなことだけ考えて生きることはできないんだから。とにかく世の中との関係や人間関係の面では、自分では子供みたいな面が残っていますよ。
だけど音楽をやっていて、それ以上に得たものもたくさんあるんだから、結局は失って得たものもあるってことでしょ。
あ、でもお姉ちゃん。こうやって話してみると、音楽が人生を変えうるという気がします。僕がまさにそのケースだよね。
ん?そうだね…。私が思うには、変えうるのではなく、明らかに変えているんだと思うんだけど…。とにかくあなたはひとつのもにに本当にハマる性格だってことはあるわね。
その通りです。子供の時から音楽をやってる人達が本当に必死でやっている様子を見るのが好きで。だから、あれこれ一度にまとめてやるのではなく、ひとつにハマるべきなのだ、と。そしてそれが音楽だってこと。
音楽を始めた頃に立ち返って…。自分で音楽を作っていこうと心を決めたとはいつ頃だったの?
子供の時から周りにいる友達の中で音楽が大好きだった友達が多かったです。もちろんアメリカに行っても、僕の周りには音楽をやりたがっている奴らが多くて。その当時バンドをやっていたのもいたんだ。いい加減にも見えるんだけど、明らかにその気の友達が周囲に多かったです。僕はその中の一人だったんです。高校生の時友達だったDannyも音楽なしでは生きていけないやつだったし、ジノニは中学生の時からラッパーになるのが夢だった。その時のジノニが今のMasta Wu(ウ・ジンウォン)。
わぁ・・・。みんなそうだったんだ。
すごいでしょ。とにかく、僕の友達を始めとして、周りに音楽をやっている、または音楽をやろうとしている人達が多かったせいで、一度も音を作る課程で難しいと思ったことはないです。初めてから今まで、ラッパーとプロデューシングをそれぞれ別のものだと考えたこともないし。僕にはラップとプロデューシング、全てが音楽だから、単にやればできる、くらいの考えだったんだ。
初めて作った曲が
あれは編曲を別の人にやってもらったものだから、初めてのプロデューシングとは言えないし。「One Love」が初めてということになりますね。
ほぉ〜。じゃあ、処女作がスマッシュヒットだったということじゃない?
正直言うと、「One Love」はその当時に完全に初めて作られた曲とは考えていません。
何を言ってるの?訳の分からないことを・・・。--a
う〜ん・・・。ギターのリフ(繰り返し演奏される部分)があったでしょ。「One Love」が始まる部分から最後までずっとベースになっているギターのリフ。それは僕が高校生の時から頭の中で何年も持ち続けてきたみたい。いつもそのギターリフが頭の中にあって、音楽を作りたいという思いがあったんだけど、遂にはそれを頭の中から取り出して実際に音楽を作ったってことなんです。それ以外にも僕がいつも頭の中に取っておいたままになってる音があるんだけど・・・。
それはいつ公開されるの?
一つずつ使っていかなきゃ〜。どうやって使おうか、まだ僕もよく分からないです。^^
ところで、どんなにラップとプロデューシングを別に考えないとはいっても、楽器の扱い方を教えてくれた人がいるはず。
あ、それはPerryから。初めて韓国に来た時からDannyと僕とPerryが一緒に暮らしてたんだけど、その時肩越しにMPC(ドラムマシーン兼サンプラー)の使い方をいろいろ教えてもらいました。Perryがデモを作っている間はじ〜っと見てたし。音楽を作る作業から声を入れる作業まで毎日毎日そうやって見たから、自然に自分の一部になったみたいです。後になって僕がMPCを実際に一つ買ったんだけど、細かい使い方は一人で習得したこともあるし、Perryが教えてくれたことも多いし…。とにかく何でもそうだけど、はじめが肝心じゃないですか。僕は音楽を作ることから録音すること、サンプリングまで本当にいい人に教わりました。音楽を作る時のノウハウは作業するクセや習慣から来るものは全てクセがあってこそだから。
それでそれが音楽のカラーの一部になるくらいに大きな影響を及ぼしているんだけど、僕はいい状態で始めたということですよ。そういう面ではPerryには本当に感謝している。
あなたは音楽をやるのに、才能は必須条件だと思う?
うん。僕は音楽を作ることは大部分は才能から出てくるものだと思います。もちろん和声楽とかいろいろ音楽に関わることを勉強することが実際の作業をするのに大きな助けにはなるけど、同時にそれが障壁にもなりうるんですよ。枠にはまって、本に書いてある通りに音楽を作ろうする傾向が生まれる原因にもなって…。
とにかく先天的に持っている才能を絶対に排除することはできないんじゃないですか。もちろん、先天的にどんなに感覚があっても、自分でやってみようという気がなければ全く意味がないですが…。 いずれにしても先天的な才能があることとないことには大きな違いがあると思います。その後に後天的な努力が続いてくるのでは。
どうしてかこういうのあるじゃない。やりたかったことを実際にやってみると、自分に欠けていたものが何かが分かってくること。あなたの場合はどう?
そうだなぁ。僕は頭の中にこんなことをやってみたい、こんな音楽を作ってみたいという思い出すと、何時間でも何日でも集中して、Feel一つを信じて追い込むようにやる傾向があるんだ。
自分がすごいって言ってるように聞こえるかもしれないけど、しばらくの間苦労して終わらせたものを見て、自分がそれをどうやってやってたんだろうって考える時もあります。本当に。とにかく僕が一つのことに恐ろしいくらいにハマることは、作業の面でも同じだと思う。
それじゃあ、今は欠けているものはないってこと?
違う違う。そういうことじゃなくて、どうしても僕がさっきも言ったように、僕が正式に音楽を勉強したことがないから…。例を挙げると、進行コードを計算したり、起承転結がある曲を制作することは楽ではありません。まぁ、そんな音楽は僕のスタイルじゃないとも思うんだけど、たまに頭の中にあることをやってみたいんだけど、作るのが大変だと思ったこともあることはある。
大部分は僕が音楽をループを主にして作っているから、そうなるんだと思います。だけど今作業している、そして曲を作っていく自分のやり方には満足しています。
音楽を通じて、究極の夢って何かある?何か、音楽で実現させたいこととか。
音楽をやっている人によってそういう質問に対する答えはみんな違うと思います。例えば、Rage Against The Machineの場合、政治的にすごく扇動的な方じゃないですか。見方によっては、音楽だけど一種のクーデターに思えるほど。でも僕は音楽は音楽でしかないと思います。それを使って、僕が何かをしたいというのはないんだ。
でも音楽をやっていて、こんなことが少しはあったらいいなぁ…、とかはあるんじゃない?
どうしてもその質問に答えなければいけないならば、“共感”ということを言いたい。僕が曲を作る時感じていた気持ちがあるじゃないですか。悲しい気分で作った曲には聞いた人も悲しくなって、気分のいい時に楽しく作った曲なら、一緒に楽しくなる、そういうこと。音楽を作る時やステージに上がる時や人前に出て歌う人の間ではそういう“共感”が一番重要。だけどそれは単にそう思うだけで、目的という意味ではないけど。
初めて音楽をやる為に韓国に来た時何歳だった?
すっごく前だけど…。5年前だから、20歳だったと思う。
じゃあ、もし19歳くらいの時に戻れるとしたら、それでも韓国に帰って来たいと思う?音楽をする為に?
僕が本当に自信をもって言えることは、僕の夢は子供の時から一つしかなかったということ。その夢、今叶ったんですよ。
本当に早くに夢を叶えたものよね。
そうですね。いつもずっと一つのことだけを考えていたから、可能だったのだとは思う。正直言って、お金がどんなにいっぱいあっても、顔がどんなによくても、僕ほど幸せにはなれないでしょ?子供の時から夢見てきた人生そのままに生きているなんて、本当に幸せだよ〜。
本当だよね!
お姉ちゃんだって、そうやって(ライターを仕事ですることを夢見ていて、実際にライターになっている)生きているんだから、よく分かりますよね。これこそが人生の贈り物だということ。
まぁ、すてきな言葉。人生の贈り物。そう考えれば、私達は本当に大きな贈り物をもらったってことね。
だから、真面目に生きないと〜。人には優しくしないと〜!クク。
あ、はい。--;;
Next Question!
もし…。アメリカ行かなかったとしても、今のTeddyは存在したかな?
いいや。
本当???
うん。本当に。アメリカが個人主義思想が強い国だということもあるし、利己的な面も多い国だということも事実だけど、アメリカは韓国と比べると考え方自体が違うから…。そこで育ったという事実は、世の中を見つめる視野を広げるのに大きな関係があったと思います。
僕は別に絶対にアメリカがいいとか悪いとか言ってる訳ではなくて、遠くへ行って、たくさんの文化に接してみるという点では、また他のタイプの人達と出会うことができたという点では、よい影響を受けたということです。
特に音楽的にアメリカのように豊かな環境をもっている国はないじゃないですか。だから僕には本当に大きな影響を与えてくれたってことです。いや、音楽をやるとしても、今とまったく同じようにはできないと思う。
環境が人生を変えるんですね。
あぁ、なんか変わることが多いですか?--;
^^; 人生の逆転、いいじゃな〜い。
僕が思うに、韓国という国はマニア層があまりにも小さいんじゃないかな。
コンピュータをやる限りは、コンピュータ博士(訳注:「博士」は韓国語ではその筋に詳しい人という意味で、一般の人にも使われる言葉)になるべきだし、ピアノをやるならピアノ博士になるべきなのに、韓国はこれも少し、あれも少し…、八方美人になるように教えているのが問題でしょ。学生達の夢はそれぞれ違うのに、学校では全く同じ事を教えて、同じ目標に向かわせようとしているじゃないですか。大学とか、そういう目標に。
だけとそれが全部上手くいくのかな?結局その目標を達成できなかった人達は絶望して、やりことは結局できなくて…。一つのことを一生懸命やる人が多くなれば、偉人もいっぱい出てくるはずなのに…・。
何でも分かる人は、結局何もできないできない人だってことね。
その通り!僕が音楽だけをやっていても大変だと思うのに、どうしたらあれこれ上手く出来るのかって!
今思い出したけど、韓国では歌手達も八方美人になることを望んでいますね。
やっぱり今でも人とあなたとの関係は遠い方がいい?以前ジンピョ氏とチャットした時に「自分の描く円」に関する話をしたことがあったんだけど…。あなたは人々との関係にどういうスタイルの円を描きたいと思う?
う〜ん…。また難しい質問ですね。
僕は2つの円。一つは僕の周りを囲んでいる小さな円。その周りにはもっと大きい違う円が一つ。そう描かなければいけないと思います。小さい円に入ってる人達には自分の細かい面まで見せられる、僕が本当に大好きな人達。結果的にその人達は自分の本当の姿を知っていて、自分もその人達の本当の姿を知っている人達ということです。
大きな円の中にいる人達は…。そのまま、親しい人ではない人ということになりますね。大きな円にいる人達の中には本当に僕のことを好き、また僕が好きな人達もいますよ。でもそれ以上親しくなれない何か理由がある、そういう関係の人達。あ、ちょっと悲しくなる話だ。
人は誰でもそういう面がある程度はあるでしょ。その程度が違うってだけで。
僕はいろいろな人達に容易に自分の全てを見せる方じゃなくて、今自分をよく知っている人達も実際には何も知らないかもしれないし。でも…。本当の自分を知ってる人、その姿を見せたいともう人がもっとたくさん出来れば、もっと幸せな人になりますよね。一言で言えば、信じられる人が多くなるってことだから。
じゃあ、1TYMの他のメンバーはあなたの一番小さい円にいる人達なの?
当然だよ!僕は他のメンバー達を信じているし、メンバー達も僕を信じている。何よりもお互いの長所と短所をよく把握していて、お互いの一番よい姿から一番悪い姿まで全て見てきてるから、そうならざるを得ないですね。あ、とにかく…。人間関係というものはとっても大切だけど、一番難しいものの一つだと思う。
初めてあなたに会った時、タマネギみたいな人だと思ったことがある。
え?タマネギ??なんで??
あぁ、この人がこういう人なんだ、と思っていたら、次にあなたに会うと、え?そうじゃなかったんだ?と思ったり。タマネギはむいていくごとに滑らかな新しい姿が出てくるじゃない。それで…。
Only The Onions Survive!!!
ハハハ!何それ〜。とにかくあなたがいろいろな人達の前に立つ仕事をしてるから、そういう傾向にもっとなっていくと思う。
ある程度はそれは事実かな。こういう世界にいると知ってる人が増えていくけど、心を開ける人がいないです。それで自分を知っている、分かってくれる人達と更に親しくなって…。
主に関心のあることや共通点があると人達と会うことが多い方?周りにいる人達の大部分は音楽をやっていたり、音楽が好きな人達だということを考えると、そうだと思うけど…。
そうですね。友達、他の人達…。音楽という枠の中で出会ってきました。音楽を好きじゃないと僕を理解できないだろうし、そうだからこそ友達になったり、お兄さんやお姉さんになれる、そんな感じ。
人との関係でも完璧主義者になろうとしている?
Teddy 絶対にそうじゃ訳じゃないですよ。人として完璧になれるものでしょうか?
音楽の面でも完璧主義者になろうとしている傾向はあるよ。作業のスタイルを知ってるでしょ〜。
あなたが作業しているのをみていると、仕事中毒者のように見える。
Teddy なんでかそういう時があるでしょ。映画を観るのがすっごく楽しくて毎日映画を観に行く時もあるし。コンサートを観るのが楽しくて毎週コンサート場にばっかり行く時もあるし…。
それと同じで、仕事をするのがすっごく楽しかったら、仕事ばっかりやってる。それだけのことだよ。
仕事にも狂ってみよう、そんなことなのね。
Teddy Word〜!
今まで生きてきて… 一番感動的で思い出す場面がある?
感動的な場面…。お姉ちゃんもこれを話したら信じてくれないかもしれないけど、グアムに来て間もなくして、僕は本当に珍しい経験をしました。
何の話をしようとしてるの?
僕、ここに来る時本をいっぱい買って来たんだ。昼間は何か特別なスケジュールがある訳でもないから、夜通しで朝まで本を読んでいて…。
僕がその日読んでいた本に虹の写真がありました。カラー写真だったんだけど、それがすっごく気に入って、また見てみると目新しい感じがして、明け方までその写真だけをずっと見つめていたし。そうしているうちに辺りが明るくなりました。
それで?
(部屋の)外に水を飲みに少し出たんだけど、まだ日は昇ってなくて、窓の外をみたら、雨が降った後だったみたいなんだ。それで玄関の門を開けたら・・・
開けたら?
家の前に虹が出ていたんだよ…
う!わぁ!!!
正直それまで虹を見る機会が何回しかなかったんだから。それで本当に嘘みたいに…。本で見ていたその虹が家の前にあった。
あ、私、今、頭から足の裏まで鳥肌がサ〜ッと立ったよ!
本当、すっごい話でしょ?すごく早い時間で兄さん達を起こすのを何かなぁと思って兄さん達にその光景を見せられなかったのがちょっと残念。
私、 びっくりしすぎて次の質問が出てこない。--;
とにかく僕もこれほど驚いたことは人生の中でそうはなかったんだから。
では、一番聴いていた音楽の中で一番衝撃的だった音楽は?私は以前に…Kornの音楽を初めて聴いて、すごく大きな衝撃を受けて席からガバッと立ち上がったことがあるの。
僕はそれほど(の衝撃)だったことはないと思うけど…。何か新しく想像されたものを聴いて衝撃を受けたことはなくて、以前に出た音楽だけど、最近聴いてみて「あ、こういういい音楽があったんだな」と思ったことは多いです。以前のスタイルのソウル、Funk、ブルース、そんなところ。
自分なりにあなたを表現をするなら、そんな文章で表現できる?
俺は俺だ。こんな答えじゃありふれてるかな?
いや、俺は虹だ。虹のようにいろいろな面を持っているから。必ず7色の色だけだと断定できるものではないじゃないですか。僕も見えるものだけで決めたらダメ。
あ、虹がすごく好きだから。
違うよ。その日その虹を見ていたら、本当にお姉ちゃんも衝撃を受けたと思うよ。
分かった、分かった。
今回Y.G.Familyのアルバムが出たら、また1TYMのアルバムを制作しなければいけないけど…。まだ質問するのは早いと思うけど、1TYMの4集にはどんなものを入れてみたい?
作業に入る頃に1TYMがやりたいことをやることになるでしょう。いつもそうやって作ってきたから…。
これから一年間音楽を作ること以外に計画はある?
グアムでの仕事が終わったら、ニューヨークに行って何ヶ月かいようかな、と。
家はロスアンジェルスにあるのに、なんでニューヨーク?
僕、ニューヨーク好きです。あそこの自由な雰囲気が好きで。なんかちょっと恐い街だとも言えるけど、とにかくあそこはビルひとつひとつにも芸術が、洒落っ気が詰まっている気がする。そんな粋な所がよくて、ニューヨークが好き。ニューヨーク、眠らない街…。
私は行ったことないから分からない。--;
ハハ
あうぅ〜。もうずっと打っていたから、指が痛いよ。最後に一つだけ話をして、終わりにしよう。
そうですね。忙しい人間同士、すごく長く打っていたね。何を話せばいいですか?
なんか、挨拶でも。この雑談みたいなインタビューをここまで読んでくれた人達に挨拶でもしなければいけないんじゃないかな?
これが雑誌に出る頃には、僕がここに来て一ヶ月くらいたってるかな?
う〜ん。みんなこんな心配をたくさんしてます。僕がここに来てから、とても不便で辛いんじゃないか、って。だけどそんなことは別にない。何よりも気楽な環境で音楽だけに夢中になれる時間を持てるようになったことは本当にいいし、ありがたいと思っているんです。天から「おい、お前は他のことは望まず、音楽でも作れ」、そうしむかれてるみたい。
ハハ。まさか
10余ヶ月という期間は決して短くないから、待っている方々が少し疲れてしまうと思うけど…。そしてそうなってしまったことは申し訳ないとは思うけど、1TYMのアルバムが出来る前に他のいろいろなアルバムを通じて、僕の音楽を聴けると思いますよ。
期待してもいいのね?
それはもう!本当に…。あまりにありふれた言葉で、言うのがちょっとあれだけど…。僕に関心を持ってくれている方々に音楽でお返しするしか方法がないと思う。
そうよね…。韓国にいない間に一番よく言われた言葉は何?
元気でね、って言葉だね。でも僕は本当に元気だから。君達こそ元気でな!!本当に!!そして…
?????
全ての方にしたいことがちゃんと見つかったらいいですね。一つだけを見つめて、その一つにだけにハマッてみな、って…。マニアになれ、って…。その言葉を挨拶の代わりにしてほしい。
ふう。じゃあ、作業してね。時間を随分奪っちゃったわね。
OK. Peace!!