1TYMに出会うまでの数年の私は、心を燃え立たせてくれるような歌手に出会うこともなく、本当に物足りない毎日を過ごしていた。常に韓国語を聞ける環境を作りたくて契約したKNTVを観るのも朝のニュースチェックと自分が以前から好きな歌手がカムバックするのを期待しながら音楽番組を観る程度だった。1998年秋、つまり1TYMが正式デビューした頃はちょうどイ・ヒョンドが「暴風」でたまに出演していたので、それだけを楽しみに、ビデオをセットして音楽番組を観ていた。そんな時に私の心をギュッとつかんでしまったのが、1TYMだったのだ。
『ショー!ミュージックタンク』で新人として紹介されていた1TYM。
また若いコ達だわ。
特にテレビを凝視する必要もなく感じて、イントロが始まってもボーっと聞き流しながら部屋の中をうろうろしていた私の動きを止めたもの。それはまさしく(!)このメロディだった。
♪1TYM IS ONE TIME FOR YOUR MIND〜
本当に不思議なくらいサビの歌詞とメロディが私の中に入ってきて、気が付くと私も一緒に歌っていたのだ。(もちろんサビだけ)
韓国内なら1,000円前後で買えるCD(アルバム)が日本国内で買うと2倍以上する為、私が日本でCDを買う歌手・プロデューサーは限られていた。
冒険は決してしない
これは私が日本で韓国モノのアルバムを買う場合の常識だったこと。
しかし『1TYM』というグループ名の元となる言葉通り、一度で心から離れなくなってしまったのだ。
1TYMを初めて見た翌日の夕方、私は渋谷の某大型CD店にいた。サビの部分だけをたよりに探しに売り場で目的のモノは意外にすぐに見つけられた。出勤前で時間的に余裕のなかったため、いつもは必ずするプロデューサーのチェックもせずにレジで会計を済ませ、職場へ向かうバスの中で知った事実;EXECTIVE
PRODUCER : YANG HYUN SUK(以下やんぐん)!?
ヒョンドオッパがJINUSEANを一緒にプロデュースしていた、あの元ソテジ・ワ・アイドルの・・・。
やんぐんがJINUSEANを含めた他の歌手をプロデュースしているということは何となく知っていたけど、まさか1TYMが・・・。
結局JINUSEANの影響で好きな音楽のスタイルが私の中で出来ていたことは確かだけど、音楽番組に新人としてひょこっと現れた若者達が・・・。だから売り場でもすぐに見つけられたのかと納得はしつつも、私は1TYMとの出会いには運命的なものを感じているのだ。
初めての冒険がこんな大きな愛に発展したことを・・・。