ミュージシャンとして生まれ変わった ヒップホップ戦士1TYM
-グッデイ 2001年12月10日-
ミュージシャンとしての実力とアイドルスターとしての人気を兼ね備えているヒップホップグループ1TYMが1年6ヶ月ぶりにカムバックした。
メインラッパーTeddy(23歳/本名:パク・ホンジュン)、メインボーカルDanny(21歳/イム・テビン)、プロデューサー兼ボーカル ソン・ベッキョン(22歳)、振付兼ラッパー オ・ジンファン(21歳※)など傑出した新世代の男性4名で構成された1TYMは今回の3集の新しいアルバムを通して、完全に独り立ちをした。
※オ・ジンファンは78年7月生まれの23歳。21歳は間違い
歌とラップだけを担当して、プロデューサーは別の人に任せていた1,2集とは違い、Teddyが全曲を作詞・作曲・編曲し、ラップとメロディ、そして寝息一つまで彼らのスタジオで苦楽を共にして、作業をやり遂げた結果である。アルバムのジャケットに書いてある「All written, arranged, composed, produced by 1TYM」という言葉がこれを表している。
音楽は全体的にライブ的な感じが強い。
ライブでなくては演出できない息遣いを感じさせるサウンドと強力なパワーがある。
また、80年代と90年代前半のヒップホップの形態に戻っていたかのような強力でよりオリジナルに近いヒップホップサウンドを基盤にした、復古風が際立っている。
実際にドラムを演奏しているかのようなドラムのサウンドはひときわ強力でスピーとアップしながらも、メロディラインが減る代わりにラップとリズムだけで強い凝集力を見せてくれている。
『Last Night Story』では80年代最高のアイドルスター・ソバンチャの『オジェッパムイヤギ(昨晩の話)』を70年代ファンクサウンドにハードコアスタイルのラッピングを接ぎ合せ、全く新しい曲にリメイクしている。また『Wooah』は復古風ファンクのギターサウンドと♪ウワ〜というサウンドの切れ目に入るラッピングの調和を作り出している。
『Sucka Busta』は80年代の映画“ゴーストバスターズ”をサンプリングした。
アルバムのタイトル曲は『オモニ』。多様で高級感ただようサウンドというよりは、むしろ簡潔なサウンドの中に強力なビートと編曲の精巧さで勝負した曲だ。
彼らの音楽をやりたいという意思と『オモニ』で代表される社会的な制約、家族間の葛藤を率直に取り入れながらも、自分達のやりたい音楽の為に進んでいかなければならないという意思が詰め込まれた、彼らの成熟した姿が見られる。
『ポス(バス)』は1TYM自分達を象徴している。
一度乗ったら止まるまでは降りられないバスのように、固い結束力があるというメッセージを伝えながら、リズムプログラミングの上に文節的なラッピング、R&Bスタイルの大衆的なメロディがよくマッチしてる最近の世界的トレンドが反映された曲だ。
この曲では自分達が2集で発表した民謡『クェジナチンチン』の歌詞の一部を利用、今日の1TYMの音楽がここまで来ることができたという過程を垣間見せている。
去る98年にデビューした1TYMのメンバー達の言葉:
「1集の後、ミュージシャンとして成長する為にどれだけたくさんの努力をしてきたか分からない。今回のアルバムは2集以後のこれまでの1年6ヵ月間、“アイドルからアイドル兼ミュージシャンの姿”でアップグレードされた姿を如実に見てもらえる」と強い意欲を見せている。
【参考】:BOUNCE 10月号インタビュー記事