THEY'RE BACK AND THEY CAN'T BE STOPPED...
1tym
"WE GON' MALE YOUR BODY ROCK"

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「1TYM、只今到着しました」
警護の方から1TYM到着が知らされた。録画スタジオの横に設けられた待合室へ場所を移し、合流したバウンス。前日遅くまで練習室にいたメンバー達はまだ疲れている様子だった。リハーサル時間までは30分ちょっと余裕がある。オ・ジンファンは片側の壁に寄りかかり、多少疲れた表情で座っていて、Teddyとソン・ベッキョンはハイテクのメンバー達が見ていた漫画を一緒に見て笑っていた。そして入国後一番多く言われた言葉が「痩せすぎだ」という言葉で、その言葉はもう聞きたくないと言っていたDannyはビスケットの中にアイスクリームが入っているアイスクリーム菓子を食べているところだった。

Teddy、少しは風邪治った?
Teddy: 病院にも行って来て薬も飲んでいるんだけど、まともに休めないから、あまり治らないです。

Teddyだけが体調が悪いと思っていたけど、今日来てみたら、みんなも良くないみたいだね…。
オ・ジンファン: 僕は体調悪くてもあまりそれを外に出さない方なんですよ。本当に死ぬほど辛かったら辛いっていうけど、最近は本当に体調がずっと良くないですね。みんなも咳をたくさんするから、バン(移動で使っている車)の中に風邪のウィルスが飛び回っているみたいです。

Danny: 僕も何日か前にスケジュールを終えてから病院に行ってきたじゃん。注射もされて、家に帰りました。

ぺっきょんはカムバックの前に入院したこともなかったっけ?
ソン・ベッキョン: 元々よく病院のお世話になるじゃないですか。物理治療も受けて、その為に少し入院していました。

3時を少し過ぎた時刻。1TYMがリハーサルの為にステージに上がった。リハーサルが進行している間、ステージの後ろ側にガラスの壁を通して1TYMの姿を確認していたファン達がロゴが刻まれたタオルを広げて、ガラスの壁をコンコン叩きながら喜びを表現していた。彼女達の存在を忘れずに、その都度手を振って挨拶するメンバー達。初めて1TYMがデビューした時、グループの長兄であるTeddyとオ・ジンファンが20歳、末っ子のDannyが18歳だったが、もう末っ子のDannyが22歳の“成人”になってしまった。1TYMが3枚のアルバムを出している間、ファンも3集まで出した歌手のファンらしく成熟した姿を兼ね備えていった。

国内歌謡のシステム上、1年6ヶ月という短くない時間、ずっと厭きることなく待ってくれたファン達に対する1TYMの感謝の気持ちは決して心にもないうわべだけの言葉ではない。www.1tym.comがオープンした昨年11月11日以後、4名のメンバー達は一日に一回は必ずファン達の書き込みを読む為に掲示板に行っていたそうだ。1TYMのホームページによく書き込みをするファン達の為にお知らせすることがあるんだけど・・・。TeddyとDannyは最近の若者の通信用語、たとえば“自由掲示板(チャユゲシパン)”を“チャゲ”と呼んだり、“バウンス”を“バッス”と書いたり、“公開放送(コンゲバンソン)”を“コンバン”と短く呼ぶことをあまり好きではない。いや、正確に言うと、あまり好きではないのはTeddyで、Dannyの場合はその言葉を理解できない為に、書き込みを読みながら一人で困っていたのだ。これからこの2人にメッセージを残す方は正書法で格別に注意しなければいけないようだ。

久しぶりにステージを通してファンに会って、どんな感じか?
Teddy: すっごく嬉しいですよ。そして有り難いし。あまりにありふれた言葉に聞こえそうだけど、カムバックする時ごとにその大切さをどれだけ身にしみて感じることか…。今回には状況がまた状況なので、その有り難さも更に大きいですよ。そして男性のファン達もかなり増えたようですし。

本当に久しぶりなのに、顔を覚えているファン達もいました。もうみんな大人の女性になってしまったけど…
Danny: (笑)。いいですね。活動している間はファン達に一番よく会うものだけど、お互いに大人になっていく過程を見て、また見られているじゃないですか。いい歳のとり方をしている感じがして、気分がいいです。

自分もいい歳のとり方をしていると思う?
Danny: 僕は普通の人達よりも早く老けてるみたいです。あまりに幼い歳で両親と離れて暮らしていたので、顔に苦労した跡が残っているみたいです。僕、本当にそう見えませんか?

バウンス公演の日、みんな興奮しているように見えたんだけど。準備した通り上手くやり切ったと思う?
ソン・ベッキョン: よかったですよぉ〜っ!よかったですよぉ〜っ!

オ・ジンファン: 久しぶりにファン達に会って、公演でやったことも本当によかったけど、必死にやりすぎたと思います。ノリノリだったので、身体はまさに飛び跳ねたかったんだけど、それが思うようにコントロールできなかったんです。それで放送も何回かやりながら、気を引き締めているところです。

じなには一人研ぎ澄まされたみたい。練習した感じが凄く出てたけど?
オ・ジンファン: そうですか?ヨンジュ兄さんと振付を作る時、、僕のパートを変わる度に練習を少しずつやっておいたことが、ステージで見えたのでしょう。

ソン・ベッキョン: 正直言って、僕は練習をたくさんできなかったんです。ライブの練習は少ししたけど、ステージアクションのようなものは特に神経を働かすことができなかったんだけど、練習した以上には見えたようです。若干慌しい間もあったことは認める!

Teddy: ステージに上がる時は、ある程度の緊張は絶対必要だと思います。緊張が度を越すと自分自身が嫌になるし、緊張がなくなったら、怠けた姿がそのまま見えるようになります。それでその中間を見つけることがすごく大切なんだけど、今体調が悪くて、コンディションの調整が出来ないから、よくないです。

その緊張感を楽しむ人が一人いるじゃない。違う、Danny?
Danny: あ、そうです。死ぬまでこの仕事をするとしても、この緊張感は永遠に続くと思います。気分がいいですね。緊張しないでステージに上がったら、眠ってしまうかもしれません。

午後5時。1時間程続いた「What's Up, Yo!」の録画が終わった、生放送で進められているKMTVの「生放送ミュージックQ」の録画時間まではちょうど一時間残っていた。スタイリストと4人の1TYMのメンバー達を乗せたバンは急いで駐車場を出て、彼らとはぐれないようにイ・ジンソク車長と一緒に乗用車に乗った。1TYMのカムバックの日、入社した新人マネージャーの為に几帳面に道案内をしたイ・ジンソク車長は、最近忙しいスケジュールの為にメンバー達がろくに身体に気遣わなくなっていることが一番可愛そうだと言っていた。よく寝ることもいいけど、それで食事が食べられないのを見ていると本当にイライラしてくると…。
カムバック前に昼と夜が完全に逆になった生活をしていた1TYMにカムバックと同時に一日当たり5個のスケジュールを進めなければいけないことは無理としかいえないことだ。しかしカムバックを前に「寝ないで活動しようと思ってます」と言っていたDannyの言葉通り、どんなに忙しくても活動を始めた後、1TYMには一瞬の自由時間が楽しみだったのだ。マネージャー達と以後移動スケジュールに対する話合いをしている時、窓の外にアセムタワーが見え、それが目的地だったKMTVが近づいていることを示唆していた。公開放送の現場ではファン達の写真撮影を止めるよう忠告しているイ・ジンソク車長。一行を乗せた2台の車は既にKMTVの地上駐車場に到着していた。そこでも1TYMを待っているファン達の姿が一番先に目に入った。
KMTV4階に位置しているスタジオに入る前に、4階のロビーでまた会った1TYMはすでに衣装をばっちり着替えている状態だった。片手に柚子茶が入った魔法瓶を持って現れたTeddyは「僕、忍者みたいに見えませんか?」と言いながら、面白いポーズを決めて見せて、相変わらずコンディションがダウンしているように見えるオ・ジンファンとDannyは今さっきの「What's Up, Yo!」の6ミリ録画テープを回しながら、モニターを見ていた。放送前にあらかじめもらっていた台本を見て、「いつも同じ質問だよ!」と愚痴をこぼすオ・ジンファン。Dannyは画面を通して見る自分の顔がひどく痩せて見えると気にしている。「ほとんどのカメラって、顔がもっと大きく見えませんか?僕はどうして更に痩せて見えるのでしょうか?」
おや、ソン・ベッキョンは見当たらない。他のメンバーよりも先に準備を済ませて先に上がってきたのが彼だったのに…。
見つけたのは彼が片側の隅で寄りかかって目を閉じていた。5時50分。放送開始まで15分。やっと目を開けたソン・ベッキョンはマネージャーを探した。

ソン・ベッキョン: 兄さん(マネージャーに)、今日のスケジュールはいつ終わりますか?
イ・ジンソク: 長く見積もっても9時30分くらい?今日は早く終わるから、家に帰ってよく休みな。
ソン・ベッキョン: 終わってからどこかに出掛けたらダメかな?Teddy兄さんと遊びに行きたいです。うるさい所は兄さんが嫌がるから、映画でも見に行こうか?今は何が面白いですか?

いつもソン・ベッキョンを見ていると思うことだが、彼は本当に好奇心が旺盛な人だ。音楽的なことはもちろん、様々な時事的な面まで…。ひょっとしたら自他共に認める人当たりがよい性格もその好奇心から出てきたものかもしれない。
いつだったか、バウンス2月号のカバー写真の撮影を進めている間ずっとスタジオではLenny Kravitsの「Mama Said」のアルバムをかけておいたのだが、『It Ain't Till It's Over』が流れ始めると突然ソン・ベッキョンがTeddyを呼んだ。「兄さん、これ、誰の曲ですか?前に015Bがこれと同じ歌を歌ってたことがあるんだ!」
スタイルが違うのでそうなのか、Teddyとソン・ベッキョンは音楽という共通点を持っているお陰で、際立って交わす話が多いように思われる。年齢上にも、音楽を聞いてきた時間上にも、兄貴の位置にいるTeddy。雑学だけでかかろうとすると、ソン・ベッキョンとTeddyは手強い。1TYMの音楽は伝統ヒップホップとの距離が遠く、悪く言う人達もいるが、ここではっきりさせておきたいことは、1TYMは敢えて伝統ヒップホップに固執しないようにしているということだ。
1TYMの音楽は単に1TYMの音楽というだけではないということだ。そして彼らの意図がそのまま詰まっているアルバムがまさに「Third Time Fo' Yo' Mind」なのだ。アルバム発売後、たくさんの人達が『昨晩の話(オジェッパム イヤギ)』のPunkバージョンを聞いて、意外だという言葉を発する人が多かったが、はじめにこの曲を選んだTeddyがSex Pistols、The Clash、そしてRancidやOffspringなどのファンクバンドのファンという事実を知っている人なら笑いながら、「いつかやらかすと思ってたよ」という言葉をかけたかもしれない。しかも残りのメンバー達はやはり『昨晩の話』に積極賛成票を投じたというのだから、1TYMの実体を枠にはめることは不可能のようだ。

「一体君達はグアムでどんなことがあったの?」「“オモニ”のミュージックビデオが放送されている機会を利用して「生放送ミュージックQ」の作家が言葉をかけてきた。「話もたくさんして、今回ミュージックビデオも一つダメにしてしまったんだ。本当に無我夢中でやってたのが分かるでしょ?」
最近1TYMが出演している放送番組を一回でも見たことがある人なら既に気が付いていると思うが、彼らは変わった。3集アルバムを出した歌手という事実は音楽的になら他にもいろいろと変化を意味する言葉だ。何よりも内向的な性格のお陰でファン達の間では“3秒マン(来たと思ったら、もうどこかに消えている人)”というあだ名で呼ばれることもあったオ・ジンファンがソン・ベッキョンと一緒にグループの雰囲気の醸成に一等功臣の役割を担っているのだ。もつれる韓国語の為に暫く苦労していたDannyが、コメントを言うのに咳までしているTeddyの為に彼はもっとたくさんの答えを準備しなければいけなかったかもしれない。しかし隠しトラックである“オジラル ソング”で確認された、先程の言ったようなオ・ジンファンは“冷淡”、“冷めている”、“思いやりがない”といった言葉とははるかに遠い人間だ。3集活動を始めて、自分のそんな面を本格的に見せ始めただけ。


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